FC2ブログ
SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
ショコラティエ_1
出勤して早々。
自分のパソコンを立ち上げた。
そしてまずはメールチェック。
中でも重要プラグが付いた1通のメールが目に留まった。

女性社員各位

日々の業務お疲れ様です。
今年の副社長へのバレンタイン行事について
副社長付き秘書の西田部長より通達です。
必ず熟知した上での対応をお願いいたします。

・手作り不可
・食べ物以外不可
・個人での手渡し不可
・受付は部署単位でのみ可とする。但しその場合は部署名・名前を明記すること。
・受付は秘書課にて、2/12(金)AMのみとする。

以上のことを踏まえ、節度ある行動をお願いいたします。
秘書課一同


「何これ・・・」

読んで早々、噴出しそうになった。
不可ばっかじゃん。
本心は「絶対にいらねぇ」なんだろうけど、立場上そうもいかないもんね。
西田さんにでも諭されたのかな。
あいつ、NYではどうしてたんだろう・・・。
日本と違って、海外は男性が女性に花を贈る習慣があるんだっけ?!
そういえば・・・
毎年毎年、花と豪華なプレゼントが届いてたっけ。
貰ってなんだけど、文句言ってたもんあたし。
それに比べて類はあたしのことをよく解ってた。

「去年貰ったフランスのべルナション(Bernachon)のチョコ、食べたいな」

フランスのリヨンにしかないお店。
その中でも地元フランスでしか買えないスペシャルなチョコ。
ものすごい高価なのに類ってばいっぱいくれたんだもん。
さすがに独り占めする勇気がなくて、類に断りを入れて優紀と食べたなぁ。
1年前のことなのに、懐かしい。
感慨にふけっていると、周りではこの話で持ちきり。
すると先輩女性からお呼びがかかった。

「牧野さん牧野さん」
「あっ、はい」
「牧野さんもメール読んだ?」
「はい」
「もちろん参加でいいわよね?」
「はい・・・」

この場合、はいとしか言えないよね。
只ならぬ雰囲気なんだもん。

「あの・・・聞いてもいいですか」
「何?」
「同僚の方へは毎年どうしてるんですか?」
「牧野さんは4月入社だもんね、知らないで当然か」
「はい」
「私たちは毎年予算決めて買ってお渡しよ。普段お世話になってるからね」
「そうなんですね」
「牧野さんも参加でいいよね」
「宜しくお願いします」

道明寺HDって圧倒的に男性社員より女性社員が少ない。
だけど、男性と同じくらいバリバリ働くキャリアウーマン。
能力も高い。
あたしはまだまだ。
頑張らなきゃって思う。

「とりあえずは副社長のをどうするかよね」
「何かいい案ある?牧野さん」
「はぁ・・・・」

さすがに何も贈らないほうが喜ぶと思いますとは言えないよね。
毎年あたしも苦労してるもん。
一応バレンタインだから便乗はしてみるけど。

「ビター系?スィート系どっちがいいかな」
「スィート系は?ほら最近の20代ってスィーツ好きっていう男性多いじゃない」
「そうなんですか?」
「牧野さんの周りはそうじゃなかった?」

あたしの周りねぇ・・・

司は「いらねぇ」
類は「俺はいいから、牧野が食べな」
西門さんは「つくしちゃんの手作りを口移しで食べさせてくれるなら食うぜ?」
美作さんは「ウチでお袋の試食させられてるからもう勘弁してくれ」

ダメだ・・・
参考にすらならないです。
逆にあたしの場合、貰ってばっかだったもん。
しかも日本のじゃなく、海外の高級チョコ。しかも○○ご用達?

「甘いの苦手というか嫌いな人ばかりだったので」
「そうなんだ」
「参考にならなくてすみません」
「いいのよ。ならこの際、自分たちが食べたいなって思うチョコを渡すのはどう?」
「そこに行き着いちゃうよね・・・やっぱり」
「なら各自ひとつリストアップね」

解散と言われて席に戻ったけど。
ため息だ。
リストアップってこれが一番ハードルが高い気がするよ。


帰って夕飯もそこそこにタブレット片手にチョコ探し。
今日は会食だって言ってたから本人いないし。
今開催されてるフェアを見るとどれも美味しそう。

「1粒・・・800円。高っ」
「何が高いんだよ」
「あっ、おかえり。早かったね」
「ただいま」

最近始めた海外式の挨拶。
頬にキス。
キスっていうよりビス(bise)ていう方が正しいよね。
右頬、左頬にチュッとしてから唇。
本人曰く、唇だけじゃ足りないらしい。
新婚なんだからいいじゃんって・・・
本当に外と内とじゃ全然違うんだから。

「何、真剣に見てんだよ」
「ああ、あんたに渡すチョコ探してんの」
「時間の無駄だ」
「だよね、あたしもそう思う」

ソファに座った司。
引っ張られるように膝の上に跨る格好で座らされた。
少しばかりの抵抗。
何もしないでいるのは恥ずかしいから。
これ見て?とこっそりと自分のスマホに転送した社内メールを司に見せた。
秘書課から送信された例のメール。

「司、西田さんに説得されたんでしょ」
「ああ」
「不可項目ばっかりで笑っちゃった」
「知らねーヤツの手作りほど怖ぇーもんねーからな」
「何で?」
「媚薬とか仕込んでやがる。あわよくばってやつ狙ってな」
「うっわー最低」
「だから最小限の譲れる範囲での条件を西田が付けた」
「なるほど」

結んでいたネクタイをゆっくりと解く。
スマホは司に奪われて手持ち無沙汰だから。
解いたのはいいけど、バカっプルみたいで恥ずかしいわ。

「贈らないほうが喜ばれますよって言えば良かった」
「おまえが言うはずねーだろ(苦笑)」
「バレてたか」
「西田が全て邸に持ち帰えるって言ってるし。どうせ全部おまえの腹ん中に納まる」
「人を大食いみたいに言うな」
「本当のことだろうが」
「あながち間違っちゃいないけどさ・・・」
「今年も俺からのプレゼント期待しとけよ」
「高いものはいらないからね」


いい体制だと言わんばかりに。
ちょうどいい高さにあるあたしの鎖骨あたりに食いついた。
きっと反故にされるのは重々承知だけど。


何もしない方が奥さんは喜ばれますよって言葉を変えて言ってみようか。










=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
バレンタイン話です。
数話続きます。
バレンタインフェアのときにしか食べられないチョコ。
毎年、友人と盛り上がってます。
miru
=*=*=*=*=*=*=*=*=*=









関連記事
スポンサーサイト



テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する