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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
手のひらのぬくもり_8
社会人ver.に戻ります。









「やっぱりあの時入れ忘れたのかな・・・」

昨日、季節も変わったことだしと普段持ち歩くかばんを替えた。
ウチにあるバカデカいウォークインクローゼットに収められた服に小物たち。
その中からデイリーで使えるものをチョイスした。

「ちゃんと出かける前にチェックしたんだけどなぁ」

お財布、携帯、パスケース、化粧ポーチ類。
そして大事な社員証。
出社しIDをかざそうとした時、それがないことに気付いた。
道明寺HDは社員証(IDカード)がなければ社内には入れない。
忘れたりした場合は仮カードを発行してもらい入社する。
けれど、それはあくまで仮のものだから、出来ることが限られる。
自分がアクセスしたいサーバーにアクセス出来ないとか。
制限は様々。
パスワードを入力出来ても、出社時のIDが仮だからエラーで弾かれてしまう。
ホント、こういうところはさすが道明寺HDって感じだよ。
超高セキュリティーだよね。
そういえば、確か司もIDカード持ってるんじゃなかったかな。
いや・・・違う西田さんだな。
アイツが首からIDカードを提げてるとこなんて見たことないし。
とりあえずIDカードをかざす手前の守衛室で仮カードを発行してもらい、通い慣れたフロアに向かった。

「おはようございます」
「おはよう」

同僚や新入社員に挨拶をしてPCを立ち上げる。
今日する業務の予定を考えて机の上においてある資料に目を通した。

「おはよう牧野」
「白石くん、おはよう」
「どうしたんだよ、冴えない顔して。何か悪いもんでも食った?」
「違う違う。IDカード忘れちゃって」
「牧野にしたら珍しい失態?」
「そうかも。けど、あたし結構そそっかしいよ?」
「そうなんだ(笑)」

白石くんは打合せがあるとかで営業本部のフロアに来てたところに声を掛けられた。
営業本部は営業部フロアの中でもいちばん広いスペースが割り当てられてる。
それは多分、ミーティングも多く資料もどの部署よりも多く所有しているから。
そして他の営業部の総まとめをしてるいわば道明寺HDの花形部署だから。
きっと圧迫を感じないようにっていう配慮がなされてるのかもしれない。
机だって・・・
他の部署の人たちが使ってるものより引き出しが多かったりする。
それって・・・暗に仕事量が多いってことだものね。

「じゃ牧野、今日は残業なし?」
「IDカードがなければ出来ることも限られてるからそうかも」
「じゃあさ・・・久々にメシ食いに行かない?」
「いいね。皆も誘う?」

「よくねーよ

「副社長」
「ゲッつか・・・副社長」

隣にはイヤミなくらい完璧に着こなしたスーツ姿の司。
そして久々に見た額に浮かぶ青筋。
朝から機嫌悪いな・・・。
つーか、ここに何の用よ。
あたしは座ってた席を立ち、白石くんと並んだ。
すると司はあたしの席に問答無用にドカッと音を立てて座る。

「あの・・・あたしに何のご用件でしょうか?」

コイツに敬語なんて使いたくないのに。
恐る恐る問いかける。
すると有無を言わさずギロッと睨まれた。
チラッと白石くんを見ると司の視線にビビってる。
そりゃそうだよね。
朝から他人を威嚇すんじゃないわよと愚痴るも大声を出して言えないのが辛いとこ。

「コレ、落としてっただろ?」
「ああっ、あたしのIDカード!」

ひらひらとあたしの目の前にかざされたあたしのIDカード。
ご丁寧にIDカードにネックストラップがきれいに巻かれてる。

「あっありがとうございます。あの、どこに落ちて・・・」
「知りたいか?」
「いえ・・・」

無駄に長い足を組んで、肩肘ついてこっち見ないでよ。
その余裕がムカツク。
額には青筋が浮かんでるのに、何でめちゃくちゃにこやかなのよ。
つーか、副社長様は忙しいんでしょう?
こんなところで油売ってる時間なんてないでしょうが。
さっさと返してよ、あたしのIDカード。

「玄関」
「へっ!?」
「だから、玄関に落ちてた」

玄関?
会社のロビーってこと?
えっ!?でもアンタ、会社の正面玄関は使わないって・・・。
確か地下駐車場から直接、執務室行くって言ってたじゃん。
玄関・・・玄関・・・必死で言われた言葉をリピートする。
頭の中で合致した言葉と場所に思い当たって、あたしは一気に顔を真っ赤にした。

「わかったか?」
「・・・はい
「それといっこ、確認だけどよ(笑)」
「何でしょうか・・・」
「名前はこれで合ってんの?マキノツクシ?!(笑)」
「は!?」
「だからテメーの名前はこれで合ってんのかって聞いてんの(苦笑)」
「はい・・・・
「ふーん、あっそ」

司は肩肘ついていたのを止めて、流れる手つきでPCを操る。
見たことがないような画面にアクセスし、ささっとあたしのID番号を入力してEnterボタンを押した。
そして再度こちらに視線を向ける。
司の顔を見て思う。
何よ、それ。
新手の嫌がらせかっつーの。
名前なんて、そんなのアンタがいちばん良く知ってんでしょうが。

「これでいつも通り仕事が出来るぜ、牧野」
「・・・ありがとうございます」
「つーことで、おまえは残業決定」
「はぁ!?なんで・・・ですか」
「このクソ忙しい俺様がこうしてわざわざおまえのためにIDカードを届けてやったんだ」
(「別に・・・頼んでない」)
「何か言ったか?牧野」
「いえ・・・」
「テメーは恩を仇で返すなんてことねーよな」
「・・・・」
「残業時間になったら俺のオフィスに来い。思う存分仕事させてやる」
「ですが、私には副社長のお仕事は荷が重いかと・・・」
い・い・な?!逃げられると思うなよ牧野

言うだけ言って、司は席を立つ。
そして左手はスラックスのポケットに突っ込み、右手はひらひらと手を振りながらフロアを後にした。
すれ違った社員からは色めき立った声が聞こえる。
けれどあたしには落胆しかなかった。

「牧野・・・大丈夫か?」
「白石くん、悪いけどごはんはまた別の日でいいかな」
「あっああ。それは全然」
「ホントごめんね」

あのバカの所為で。
あぁ・・・久々の同期ごはん。
食べたかったなぁ、サラリーマンやOLの懐に優しい美味しいごはん。
つーか、あたしに何をさせるってのよ?あのバカは。
司がこのフロアに来るとロクなことないんだから。

はぁ・・・
ものすごく過酷だけど、明日から10分早く起きて準備しよう。













=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
よくある社員証ネタ(笑)
久々に白石くん登場でございます。
皆さま、覚えていらっしゃいますかね?
本当は新タイトルにて書けばよかったんですが、こちらでUPしました。
ぬくもりがテーマのこのお話。
一応、司なりの腹黒い優しさつーことで。
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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2016/05/07(土) 00:18:19 | | [編集]
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