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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
手のひらのぬくもり_10
左腕につけた高級時計にチラリと目をやった。
時計の針は夜の9時前を示してる。
こいつがここに来てすでに3時間半ほど。
いつもの仕事量のハズなのに、こいつがここにいるだけでめちゃくちゃはかどった気がする。
現に西田によってイヤミのように積まれた書類もあと数枚で終わる。

「終わりそうか」
「うん、もうちょっと」

こいつは指示した内容以外にも俺が極力時間を掛けねぇでいいようにと更に資料を効率よくまとめていく。
無駄のない的を得た仕事。
対応能力はやっぱりズバ抜けてた。
大口案件や重要案件には必ずといっていいほど牧野が陰でサポートしてると言われるくらい。
どの部署でも、のどから手が出るほどの欲しい存在。
俺の耳にさえ、入ってくるその噂。
働いてまだ1年なのに傍からそう言わせるおまえってやっぱすげぇわ。
これで俺と結婚してるなんてバラした日にゃどうなんだろうな(笑)
まぁ最終的に勝ち誇ったように高笑いをしてんのはババァだろうけどよ。

「できたっ」

立ち上がってプリンターから印刷物を取って俺に差し出す。
簡潔にまとめられた資料とはじめて見る1枚の用紙。

「残業申請書?なんだこれ・・・」
「書いてある通り、残業の申請書。知らないの?」
「はじめて見た」

マジマジ見てる俺を他所に、こいつは俺のデスクを回って隣に立つ。
そして指でとある場所を指す。
チャンスとばかり、俺は右手を腰に廻してこいつを引き寄せた。

「ちょっと、仕事中!!」
「もうほとんど終わりだろ?いいじゃねーか」
「よくない。誰かに見られたらどうすんのよ?」
「どうせ見るっつっても、西田だ。大丈夫だって」
「何が大丈夫なんだか・・・ったく」

文句いいつつも逃げないとこをみればOKらしい。
それか腹が減って動けないかのどちらかだな(笑)
俺はもう少し引き寄せて俺の膝の上に座らせた。
今日は生憎、パンツだから白い細い足が見えないのが残念なことはナイショ。

「通常残業なら申請は不要なんだけど、他部署応援の残業だとこれがいるの」
「俺の指示だし、誰も何も言わねぇって」
「ん、だから一応」
「一応?」
「部長が知ってるから問題ないと思うけど、ちゃんと申請として出しておけば突っ込まれることないでしょ」
「俺とおまえがこんなことしててもな(苦笑)」

そう言って俺はこいつの黒髪を耳に掛ける。
そして現れた首筋にチュッと口づけた。
驚いた拍子に体が反応する。

「危ねぇな、落ちんだろ」
「もう///それよりここにサインちょうだい」
「へいへい。ついでに申請者の名前も俺が書くか」
「いいってば」
「遠慮することねぇって、おまえよく俺に何でも書かせるだろ」
「それとこれとは別でしょ?」
「大してかわんねーよ。ほら日付に名前。仕方ないから牧野つくしって書いてやる」
「仕方なく?あたしは牧野つくしよ」

何が牧野つくしだだよ。
ここから1歩でも出りゃ、おまえは道明寺つくしだろうが。
俺は愛用のペンで残業申請書ってやつを完成させる。
久々に書いたぜ、牧野つくしって。
そして確認欄のところに俺のサインを記入した。

「あっ!」
「何だよ・・・」
「アンタの上司って誰になるの?やっぱ社長?」
「ああ?」
「この承認行為って課長→部長のパターンか、部長→本部長か常務のパターンになるのよね」
「言ってる意味がわかんねぇ」
「だから、アンタの上司が承認しなきゃこの書類は成立しないってこと」
「俺が承認欄にもサインすりゃいいだろ」

こういうところはほんと頭固ぇよな。
普通、副社長がサインしてるってだけで了承されてるようなもんだろ。
そういう律儀なところも俺は好きだぜ。
するとこいつは俺の方を向いてにこりと笑い、口を開く。
俺はすぐに予想出来たその問いにじっと聞き入った。

「ねぇ」
「・・・」
「やっぱ社長に承認サイン貰ってくれない?」
「・・・」
「社長って言ってもお母さんなんだし、アンタなら言いやすいでしょ」
「・・・」
「書類って大事だし。ささっとサインしてもらうだけで時間も掛からないしさ」
「・・・」

バカだろ。
なんでこの俺がババァに頼みごとしなきゃなんねーんだよ
ババァが損得なしにサインすると思うか?
小言から大言言われんだぞ、この俺が。
考えてもみろよ、ぜってぇ裏で何か悪巧み考えてんぞ。
じとっとこいつを凝視してみるけど、結局こいつの笑顔には勝てねぇ。
こんな大仕事を俺に頼むなら、俺だって見返り求めてもいいよな?

「さっさと帰るぞ」

ぬくもりはずっと持続しなきゃなんねーしな。
おまえのお願い聞いてやるから俺のお願いも聞いてくれるよな、もちろん。
俺はいち早く帰れるように内線を取った。















=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
思いのほか長くなってしまいました。
副社長のサインがあれば普通は何も言われないと思うのですが、
そこは如何せんつくしですから(笑)
申請っていうとものすごく面倒だとは思うのですが、そこは二次独特のご愛嬌と受取って
いただければ幸いです。
副社長のサイン入りの残業申請書って激レアでしょうね。
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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2016/05/08(日) 12:41:30 | | [編集]
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