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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
道明寺さん家の1週遅れの父の日
厳重に管理されたマンションのオートロックを解除して、数週間振りに自宅に戻る。
EVで最上階まで向かい、自らで我が家の扉を開けた。
1歩中に入ると、そこは柔らかい空気と安心する香りが充満していた。
つい数日前までの、出張先の殺伐とした雰囲気とはまさに正反対だった。

「いねぇことはねぇよな・・・」

こんな早い時間・・・
と言っても夜の8時ごろならば出かけていないはず。
ましてや子供までいるんだ。
なのにどうした!?
いつも出迎えてくれる愛おしい存在は見当たらない。
仕方なしにひとりリビングに向かうとそこには俺とつくしの一粒種がちょこんと座っていた。

「パパっ」

俺を見つけると、パパと言って俺の足元目掛けて走ってきた。
抱き上げるとまた嬉しそうな顔をする。

「おかえりっ」
「おう。いい子にしてたか、翼」
「うん」
「つくしは?」
「ママ?ママはね、おフロ」
「風呂?いっしょに入ってたんじゃねぇの?」
「ううん・・・ぼくだけ。ママ、おなかいたいんだって」
「腹?」

そう言って翼は俺の首に手を回して抱きついてくる。
ボディソープの香りがふんわりと翼から香ってくる。
その香りが心地よく、ようやく帰ってきたと実感した瞬間だった。
翼も俺に抱かれてるのがいいらしく降ろせとも言わない。
片腕で翼を抱きながら、冷やされているであろうミネラルウォーターを取りにキッチンへ足を踏み入れる。
冷蔵庫を開けると、きちんと俺が飲むミネラルウォーターが冷やされていた。
俺はそれを取り出して扉を閉めようとすると翼が何やら見つけたらしい。
抱かれたことで普段見ない冷蔵庫の中が見えて、しっかりと自分も欲しい対象を見つけたようだ。

「パパっ、ぼくも。ゼリーっ!!」
「あ?ゼリーって・・・メシ食ったんじゃねーのかよ?」
「パパだけズルイ。ぼくも!!!」
「俺は水だっつーの」
「ゼリー・・・」
「しゃーねーな(苦笑)」

俺は手に持ってたミネラルウォーターのペットボトルをキッチンに置いて。
翼の言うひとくちゼリーが入ったパッケージを同じように冷蔵庫から取り出した。

「これでいいんか?」
「うん♪」
「全部はダメだかんな」
「うん♪じゃぁ、あかときいろとみどり♪」
「どれも全部いっしょだろーが」
「ちがうよぉ。いちご味とパイナップル味とメロン味なの」
「ふーん・・・」
「パパもたべる?」
「いらねぇ」

翼は俺の首に回していた手を戻し、両手でゼリーを抱える。
大人の手なら片手で充分なそれも翼ならば両手でもへたすりゃ落としてしまう。
落とさないようにしっかり手に納まった3このゼリー。
その仕草が一生懸命で笑える。
たかが食いもんなのに。
こんな甘ぇもんよく食えるなと思いながらも嬉しそうな翼の顔を見ると怒ることも憚られた。

「3こも食えんのかよ?いつも1ことかじゃねーの?」
「えへへ♪」
「おまっ・・・マジつくしに怒られんぞ?」
「もう、怒ってるわよ

つくしはルームウェアを身に付けて俺らの元に歩いてくる。
風呂上りよろしく、頬はうっすらと赤みをおびていた。
ただ、風呂上りの割には全体的に顔色が悪い気がする。
愛しいダンナが帰ってきたのに・・・。

「おかえりなさい」
「ただいま。腹痛いんだって?大丈夫なんか?」
「ああ、うん。大丈夫」
「おまえの大丈夫はいつもあてになんねー(苦笑)」
「本当に平気だって。いつものアレだから・・・」
「ああ・・・そういえば月末だもんな。薬は飲んだんか?」
「まだ」
「早く飲んじまえよ。ひどくなる前に」
「そうする」

翼を抱いていない左手でつくしの頬に手を充てた。
普段ならキスして離れてた分のスキンシップをするんだけれど。
生憎翼を抱いてるし、こいつは生理中で貧血気味だし
しゃーない、最低限に留めとくか。
俺は頬に充てた手で髪を救い上げ耳にかけ、その手をそっと腰に回した。
引き寄せて額、そして唇にキスをする。

「ちょっと///翼いるんだけど」
「構わねーよ」
「あたしが構うってば・・・」
「ソレ、数週間振りに帰ってきた愛おしいダンナに言うセリフかよ」

首筋に唇を這わせて、もう一度柔らかい唇を思う存分堪能した。
唇を離した瞬間に翼が声をあげる。
一気に現実に戻らせやがった。

「パパ、ゼリー開けて」
「・・・ひとりで食えねぇなら食うなよ」
「ヤダ。たべる!!!」
「ったく、誰に似たんだよこの食い意地は・・・ほら」

俺は翼が大事そうに持ってたゼリーのひとつを取って、開けてやる。
そして翼に戻した。

「はい。パパにあげる」
「俺?いらねぇって・・・」
「ダメ、パパにあげるの」
「翼、言ってたもんね。パパにあげるんだって・・・」
「うん。プレゼント!!!」
「プレゼント?何のだよ」
「父の日よ。自分の好きなものをパパにあげなさいって幼稚舎で言われたみたい。ね?」
「うん!!だからぼく、ゼリーあげるの」
「翼の好きなのはつくしだろ。ならつくしでいいじゃん」
「ママはダメ!!」
「何でだよ・・・そこはつくしだろうが」
「ダメなの!!」
「わかった。わかったから(苦笑)」

こっちは笑いながら言ったつもりだったんだけどよ。
翼にしちゃマジだったみたいで、目に涙を溜めやかがった。
そうなると分が悪いの俺だしな。
さすがに泣かせると後が面倒だ。
差し出されたゼリーを貰い、それをつくしの口へ向けた。

「なんであたしがアンタの代わりに食べんのよ」
「これ食って、薬飲んどけ」
「もう///」
「翼サンキューな。俺よりつくしが欲しそうにしてたからよ、いいだろ」
「うん」
「ほら、ガキはもう寝る時間だ」

俺は抱いていた翼を降ろして自分の部屋に行くように促す。
手に持っていた残りのゼリーも完食して、翼は俺に手を差し出す。

「パパ、お部屋までいっしょにきて」
「司、翼の言うことちゃんと聞いてね。父の日のプレゼントだから」
「は~や~く、パパ」
「わかった・・・」

翼が俺を従えて部屋に向かう。
帰国早々、とんだサプライズだったな。
たまにはこういうのも悪くないなと思いながらも、今しか味わえない翼との時間を過ごした。











=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
1週間遅れの道明寺さん宅の父の日です。
夏になると欲しくなるひとくちゼリー。
美味しいですよね。
翼の好きなもの=ママなんですが、そこは譲れなかったようで(笑)
ならば好きなゼリーをあげようと考えたわけです。
結局、ウチの司は尻に敷かれてるってことですね。
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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2016/07/01(金) 10:10:50 | | [編集]
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