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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
Begin again_5
「牧野、おい牧野!」

数年振りに聞いた道明寺の声。
テレビ越しじゃない、本人の生声。
安堵とそして不安が交互して声にならない。
何度か名前を呼ばれて、漸く我に返った。

「牧野」
「あっ、ごっごめん道明寺」
「どうした」
「本当にごめん、何でもない」
「何でもなくなんてねーだろおまえ、今何処にいる」
「えっ、ウチだけど…」
「なら出てこれるか?俺、ちょっと今動けねーんだわ」
「何処に行けばいいの?」
「メープル東京。フロントで名前言えば総支配人に案内させっから」

昔と同じで車出すとか言い出す道明寺をなだめ。
それを丁寧に断りあたしはお財布とスマホ、ネックレスだけを持って部屋を飛び出した。

メープルに着いてフロントに足を運ぶ。
すでに総支配人が待機していて、しかもあたしの顔を覚えていてくれたようで、そっと声を掛けられた。
そして案内されたのはロイヤルエグゼクティブスウィート。
道明寺が常時リザーブしてる部屋だ。
扉が開くとずっと会っていなかった道明寺が奥から出てきた。

「悪かったな…案内させちまって」
「いえ、とんでもございません。それでは私はこれで失礼いたします」

あたしも慌てて総支配人さんに頭を下げてお見送り。
扉が再度音を立てずにそっと閉まって、あたしは道明寺に目を向けた。
ネクタイを外し、第2ボタンまで留めずに気崩してる。
チラッと見える鎖骨が妙に男の色気がした。
そして色気とはまた別の彼からしか香らない高貴な香りも併せて香る。
私にとってはとても懐かしくおちつく香りだった。

「おまえ、これどうした」
「えっ…」

言うと同時に道明寺の手があたしのほんのり赤くなった頬を撫でる。
そして大きな手があたしの頬を覆う。

「ちょっと転んだだけ、大丈夫」
「大丈夫なんかじゃねーだろ。誰にぶたれた!」
「違うの、聞いて道明寺」
「聞かね。俺に隠し事なんて出来ねーの、おまえが1番よく知ってるよな。それにこの手首も何だ」
「っ……」

道明寺から視線を外すことなんて出来るわけがない。
真っ直ぐな視線。

「言えよ」
「言ったら何するかわかんないもん」
「それは聞いてから俺が判断することだ、おめーじゃねぇ」
「言うから何もしないって約束して。でなきゃ言わない」
「………ちっ。わかったからとりあえず言え」

道明寺はあたしを優しくひっぱりソファまで案内させる。
座れと目で合図してきたけれど、あたしは座らなかった。
道明寺だけがソファにドンっと体を預けるように腰を下ろす。
そして、大きく息を吸ってからさっきあったことをゆっくり話し始めた。

付き合っていた彼の実家に行ったこと
そこで母親からいろいろと無謀な結婚の条件を出されたこと
彼はそれを反論せず受け止めて欲しいと言ってきたこと
アパートに戻ってからプロポーズされて断ったこと
断ったら頬を打たれたこと

「なぁ牧野。おまえ、そいつのこと庇ってるけどよ…本当に好きだったんか?」
「えっ⁈」
「だってよ、おまえからは否定的な言葉しか聞こえねー」
「でも…」
「おまえの性格なら好きなら何を言われても立ち向かうんじゃねーの?」
「………」

道明寺はずるい。
言うことがみな、的を得てるんだもん。
あたしがあんたに反論なんて出来るわけがないじゃない。

「それによぉ(苦笑)」
「何よ」
「おまえ、まだ気付いてねーの?」
「何がよ?」
「おまえが俺に連絡を寄越した時点でおまえは俺にまだ惚れてんだよ」
「そんなことっ」
「あんだろーが。怖ぇー思いした時に顔浮かんだのって俺なんだろう。違ぇーのかよ?」
「……違わない」
「だろ?」
「じゃあんたはどうなのよ?あたしのこと好きなの?」
「好きだ」
「即答?」
「当たり前だ」

言うなり、道明寺はあたしを引き寄せてそして優しく抱きしめた。









==========
「お前はまだ俺に惚れてんだよ」って言葉が描きたかったんです!
このセリフを書くために5話まで…引っ張りました。
久々に、「司」じゃなく「道明寺」、「つくし」じゃなく「牧野」と呼ぶお話。
うちでは珍しいかも。
でもやっぱりオレ様道明寺ですね。
うん、いい感じ(笑)
楽しんでいただけていますか?
拍手の数も回が増すごとに増えていて嬉しい。
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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