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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
ドクター_7
幸せな時間には必ず終わりが訪れる。
遅いディナーを頂いて、また道明寺の部屋に籠る。
時間が許す限り体を繋げた。

最後の晩餐みたい。

この幸せな時間が終わるとあたしも道明寺も普段の生活に戻る。
道明寺はこのままNY、あたしは日本。
笑って別れたい。
道明寺に抱いて貰えて、少女から女になる。
その殻を破るのはほかの誰でもない、道明寺だと思っていたから嬉しかった。
ううん、幸せだった。
痛くてもその幸せが勝ってた。
記憶の彼方で聞こえた、愛してるって言葉。
それがどれだけあたしを幸せにしてくれたかなんてきっとわからないだろうね。

「ねぇ、道明寺」
「なんだ?」
「あたし、道明寺から貰ったこの土星のネックレスとウサギのぬいぐるみと野球ボール返すね」
「いらねぇ」
「でもあたしが持ってるわけにはいかないよ」
「お前が俺に返したら捨てられるだけだぞ?」
「この野球ボールって価値あるものなんでしょ?なら…」
「いらねぇ。牧野、お前が処分しろ」
「そんな、でも」
「俺には処分出来ねぇ。だから…悪りぃ」
「わかった」
「サンキュー」

今にも泣きそうな道明寺の顔を見ると断れなかった。
泣きたいのはあたしなのに。
いつも颯爽と自信満々に振舞ってるあいつからは考えられないくらい弱々しい姿。
支えてあげたかったな。
そして支えてほしかったな。
女々しい感情があたしの中にくすぶってるけど、時間が解決してくれる。
あたしも道明寺も次に会うときは親友として。
だから許す限りきょうのこの時間を大切にしたかった。




翌朝、あたしは道明寺のためにクローゼットから1本のネクタイを選ぶ。
数あるネクタイの中からいちばん彼に似合うものを選んだ。
それに合わせて道明寺がスーツを選んでく。
なんでこんなにスーツが似合うんだろう。
オーダーだからなのかな。
ううん、答えは簡単。
道明寺だから。

「結んでいい?」
「ああ」

ネクタイの結びをさせてもらう。
黒のスーツになら何でも合いそうだとは思ったけど、このピンドッドの同系色のネクタイを選んだ。
細かなドッドが目を引いた。
日本人らしくない体型だからなにを着ても映える。

「出来た」

はじめて結ぶネクタイ。
だから道明寺に教えもらいながら結んだ。
鏡を見てニヤリと含み笑を浮かべる。

「どうしたの?」
「いや、似合うと思ってよ」
「?意味わからないんだけど?あんたが買ったんでしょ?」
「スーツをオーダーした時のサラッと見て届けさせたからいちいち覚えてねぇ」
「あっそう…」
「けど、牧野が選んだやつならいいことあるかもな?」
「うん。きっとあるよ。だから頑張って」
「ああ。なぁ、最後に抱きしめていいか?」
「うん」

道明寺はあたしを引き寄せて、そして力いっぱい抱きしめる。
そして最後のキスをする。
触れるだけのキスと舌を絡めるキスの両方を。
それからもう一度抱きしめた。

「サンキュー、牧野」

振り向くことなく部屋を出る。
パタンと扉が閉まったと同時にあたしは涙がとめどなく流れた。









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幸せな回なはずなのに、切ない。
これ以降、結構耐えてゾーンが続きます。
でも最後はハピエンで終わりたいので、よろしくお願いします。
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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