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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
ケンカの代償?_5-1
「くそッ」

執務室に備えてある仮眠室でパーティ用のスーツに着替える。
元々行くつもりはなかったもの。
急遽、経団連の会長が久々に顔を出すと情報が入ったからだ。
普段あまりこういった類のものに顔を出すことをしないから貴重な時間。
ただ。
ムカつくことに…
今交渉してる会社の社長とその娘が俺の怒りを買った。
自分たちもそのパーティに行くから是非娘エスコートしてほしいと。
ふざけんなっ。

「西田っ」
「何でしょうか…」
「あいつは?」
「あいつとは…牧野様ですか?」
「牧野以外に誰がいんだよ」
「失礼いたしました。牧野様にお伝えしますか?」
「いや…いいわ」
「まだケンカなさっているんですか?」
「ケンカじゃねぇよ」

ケンカじゃねぇ。
多分。
いや…ちょっとした誤解をあいつがしてるだけだ。
理由は俺がNYでパパラッチに撮られたこと。
しかも御用達の店を出てきた俺と俺から少し遅れて出てきた女優とのロマンス話。
それを日本じゃ週末の芸能ニュースで大々的に流れたらしい。
俺から聞くよりもあいつが知ってしまったこと。
こんなことは今までからも数えきれないくれーあった。
けど今回は場所が場所なだけにあいつは完全に怒ってる。
静かに勝手に怒って俺を完全無視ときた。

「とりあえずさっさと行って帰るからな」
「承知しました」

俺は悶々とした気持ちを持ちつつリムジンに乗り込んだ。
会場であるメープルに到着すると既にパーティは始まっていた。
会場に到着して自分から主要人物に挨拶をしにいく。
以前ならば向こうからやって来るのを待っていた。
でも牧野と一緒になってからは自分から赴く。
それが周りには評価され今に至ってる。
今の俺があるのは全てあいつの牧野のおかげ。

するとめんどくせぇ胡散臭い親子が目に留まった。
ケバい化粧に似合っていないルージュ。
そして下品なドレス。

「司くん、遅かったね。うちの娘は首を長くして待っていたんだよ」
「そうですか」

つーか、俺のことを名前で呼ぶんじゃねぇ。
図々しいっつーの。
俺を名前で呼んでいいのはあいつしかいねぇんだよ。

「司さん、今日はご一緒出来るのが嬉しくて頑張ってきました」
「………」

何を頑張ったんだよ。
エステしてこれか?
それとも化けてこれか?

「上に部屋を取っておいた。鍵は娘が持ってる」
「お父様、そんなことをここじゃ」
「おお、そうだな」

部屋?
どこの部屋をさしてんだよ。
顔には出さず…視線だけがどんどん加速して鋭くなる。
すると視線の先から見知った顔が俺の方にやって来た。
しかも俺がまだ挨拶をしていない経団連の会長とともに。

「司」
「あっああ…」
「ああじゃないでしょ?会長にご挨拶しなくていいの?あたし恥ずかしくなったんだけど?」
「いいよいいよ、つくしちゃん。彼にも言い分はあるだろ?」
「そうですか?あたしは会長とお話出来て嬉しいですけど」
「つくしちゃんと会うの久しぶりだもんねぇ」
「はいっ」
「ワシとしてはつくしちゃんをエスコート出来て嬉しいけどねぇ」

普段、こんなパーティであいつから「司」なんて呼ばねぇのに。
嬉しい気持ちと会長にエスコートされてる姿にムカつきを覚える。
しかも俺が用意していないドレスを着てるなら尚更だ。
俺が何も発しないことにこのバカ親子が口を開いた。

「あなたどういうつもり?司さんを呼び捨てなんて」
「そうだぞ。うちの娘に失礼だろう」
「わたくしは司さんのパートナーなんです。そんな野暮ったいドレスを着た方がいて良い場所ではありません」
「早くここから出なさい!司くんも君がいると娘と腕を組めないだろう」

誰がこのブスと腕を組むって?
散々な言い方だな。
後ろに控えていた西田に目配せをする。
すると西田はすっと会場を後にする。
それを目で追ったあと俺は牧野に視線を向けた。
牧野は低姿勢でバカ親子に断りを入れる。

「すみません。彼に忘れ物を届けにきただけなのですぐ終わります」
「忘れ物?」
「そう。こんな大事なものなんで忘れるかな?」

そう言って牧野は俺の左手を持って、薬指にペアリングを嵌めた。
その片割れは牧野の薬指にきちんと収まってる。

「悪りぃ…」
「ったく。本当に悪いと思ってんの?」
「ああ。つーかそのドレスどしたんだよ?」
「これ?楓さんのクローゼットから勝手に拝借?」
「ババァの?」
「だからさ、あんた悪いけどあたしの代わりに謝っておいて」
「はぁ⁈」
「だってあたし怒られるのヤだもん」

牧野のドレスは黒のドレス。
きっとこれはババァが若い頃に着てたやつだろ。
今のババァがこんなラインのドレスを着るとかマジありえねぇし。

「つくしちゃんもやるねぇ」
「そうですか?でも結構キツいんですよ、このデザイン」
「いやいや似合ってるよ?なぁ司くん」
「そうですね」
「司くん、今度つくしちゃんといっしょにウチへおいで」
「喜んでお伺いさせていただきます」
「じゃ、つくしちゃんを任せるよ」
「はい。ではまた」

俺は最上級の礼をし会長から牧野を貰い受けた。
そして目の前にいるバカ親子は茫然自失。
そりゃそうだろ。
野暮ったいって言ったドレスは実はババァのだったり。
自分たちは声すらかけることができない経団連の会長と牧野は普通に話してるとか。
だから俺は牧野にべったり体をくっつけた。
ちゃんとエスコートをしつつだ。

「すみません。あたしも失礼しますね」
「何でだよ?」
「だってあんた、まだ仕事残ってるでしょう?エスコート?しなきゃいけないじゃん」
「仕事じゃねぇよ」
「そうなの?そうだ、さっき会長といっしょに挨拶回りしておいたから」
「はぁ⁈」
「5Gの話とか…色々?今度あんたといっしょに会社においでって言われた」
「マジか?」
「マジ。だからちゃんと仕事しなさいよ」
「おぅ…なら先に上行ってるか?」
「ううん。まだローストビーフ食べてないから食べてから帰る」
「相変わらずだなおまえは」
「忘れ物をしたやつに言われたくありませ〜ん」

牧野は俺から離れ、このバカ親子に頭を下げてその場を離れた。
俺らのやりとりを遠巻きに見てたヤツらや牧野のことを知ってるヤツらなら俺らのことを知ってる。
それが心地良かった。
公表していなくても社交界じゃ周知の事実だから。

「では俺もこれで失礼します」
「つ、司くん?これはどういう…」
「あなたが思われていることが全てです。では」

俺がトドメをさすんじゃねぇ。
自ら自爆すればいい。
明日の朝の朝刊が楽しみだな。
俺は置いていかれた仔犬みたいに俺はアイツの姿を目で追った。


「ババァのドレスってのがムカつくが脱がせて俺好みのドレスを着せてやるよ」








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小さい小さい仕返し?
きっと司の目は点になったことでしょう(笑)
ずっと描きたかったんです。
このネタ。
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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2019/07/20(土) 19:30:26 | | [編集]
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