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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
アットホームビースト_プロローグ
(注記)
コメントよりR様から教えていただきました。
原告人→原告、被告人→被告に修正させていただいております。

教えていただき大変ありがたいです。
ありがとうございました。










アットホームビースト
プロローグ







その裁判は、とあるマンションのオーナー一家が住むリビングで開廷した。


妻の鋭い視線
熱い視線ならまだしも
その目はどこまでも冷たく
彼女が怒っていることは明らかだった。



ダンッ!!!

『こちらの書類は
妻である原告が被告から渡された領収書から発見された物です。
この証拠にはこうあります。
登記申請書
2019年○月○日 
N県○○島 
金 ○○億円にて売買

権利者 道明寺つくし

申請者 道明寺 司』



原告側代理人の読み上げた内容に
周りから
「やっぱり…」
「またなの⁈」
「懲りないな」
などと溜め息混じりの声が囁かれる。

子供たちに連れられ、訳も分からぬまま席に着かされていた被告は
硬く握った掌に水分を感じ始めていた。


原告代理人の咳払いでまた静けさを取り戻した室内で良く通る声が響く。
『原告人に質問します。
この書類の権利者の欄に貴女の名前がありますが、貴女は本当にこの書類を発見するまでこの事をご存知なかったのですか?』
「はい。」
『では被告は、本契約における契約者本人の意思を確認せず
勝手に名前を借り…」
「おい!それは違うっ!」
「静粛に。被告は勝手な発言を慎むように。」
『…コホン。
質問を続けます。
被告は、本契約における契約者本人に確認せず
勝手に名前を使用した。
更に夫婦の収入から、勝手に金○○億円を着服…
原告。被告側証人からはこの島の購入を、妻である貴女やお子様のために決めたと言う証言が既に出ていますが
それについてはどうお考えですか?』
「常識の範囲を超えていると考えます。
それに、私の名前を使う時と
100万円以上の買い物をする時は先に報告すると約束したばかりだったのに
またやったんですよ!コイツはっ!!」

思わず腰を上げた妻は厳しい表情のまま
夫に指だけを向ける。
すると周りから、
「おいおい100万ごとなんて1日何回報告すりゃいいんだよ」
「100万以内で何が出来るの?」
と今度は夫を同情する声が上がり
被告席から動かない様にSPに抑えられたままの夫もうんうんと頷こうとした。

「パパ悪いひとになったの?」
子供の声が静かに響いて
力強く頷こうとした顔が固まる。
「なぜそう思うの?」
「だってまたママとの約束守らなかったんでしょう?」
「そう……」
「違うっ‼︎
良く分かんねぇが俺の話を聞け!
俺はお前たちのためを思ってやっただけだ。
せっかく休暇を取ってもどこ行ったってパパラッチみてぇなヤツらに囲まれるしよ。
ゆっくり出来ねーだろ?
俺は夫として、父親として
周りなんて気にせず、ただ純粋に楽しい休暇を過ごして欲しい。
その辺にいる、普通の家族みてぇにな。
俺は記憶なんぞ無い頃から、他人に囲まれて生きて来た。
何をするにも見張られ
比べられ
批判される。
道明寺として産まれた時から、この運命は死ぬまで変わらないんだ。
どんなに足掻いてもな。
そしてその視線は、家族であるお前らにも向けられている。
本当はそんなもん、全部蹴散らしてやりてぇが俺は他の方法で家族を守ると決めた。」
「……これが、司なりの守り方って事なの?」
「あぁ。そうだ。
つくし、分かってくれるな?」

妻の顔から怒りの色が消える。
いつも彼女の顔色を見て…もとい!正しい攻め時を判断する事が出来る夫は
SPへ目で合図を出して立ち上がり
頑なな顔も綻ばせる程の笑顔を見せた。


『長い答弁をありがとうございました。
まだ被告質問の時間ではありませんでしたが、まぁ本物の裁判ではありませんから
多めにみましょう。
……えー
原告。今の被告の答弁について
どうお感じになりましたか?』
「…三条。喉の奥に詰まった様な話し方やめろ。
もうつくしだって……なぁつくし?」
「長々ともっともらしい事言っても
結局約束は守ってないよね。」
「類余計な事言うなって。」
「歯の奥だろーが。」
「煩えぞお前ら!
大体お前らはおれの弁護する気あんのか?」

机に頬杖をついたF3は顔を見合わせると
黙ったまま首を横に振る。
そこで漸く、この場に自分の味方をする者が誰一人存在しない事に気付いた。

だが自身にとって唯一無二の愛する妻。
つくしの顔から怒りが消えている。
これで全て解決だ。
司は自信満々の笑顔で、室内に集まった
F3とT3を見回した。



大体、島1つ買った位で騒ぎ過ぎなんだ。
まぁ確かに勝手に買ったから、あいつの機嫌の良い時を見計らって言おうとして
中々伝えられず
年末の伝票処理の時期にずれ込んだ上、予想外のタイミングでバレたのは誤算だったな。

久しぶりの休みに朝から叩き起こされ
リビングに入ってみれば
俺様拘りのソファーセットがあった部屋が
中世の裁判所みたいに様変わりしていて
……たぶんコレは三条か滋あたりの仕業だ。

SPに無理矢理座らされ、法服を着た奴らの茶番が始まった。
ただ1人、原告のつくしはロココ調のドレスを着せられ
まるで女王の様な気品溢れる美しさが凛とその場を輝かせている。




「私は……」
『原告。今回の事案は原告も、その罪を裁くのも貴女次第です。
良くお考えになって、判決をお願いします。』


言葉を詰まらせ、俯いたつくしの肩に
優しく手をのせた桜子はそう言って微笑み
つくしにガベルを手渡した。




カンカン!


「判決を言い渡します。

主文 被告を1週間の専業主夫とする。

その間、決められた範囲内で家事一切
を行うこと。

夫婦間において口頭であれど
一度交わされた契約を反古することは妻を軽んじている行為に値します。


しかし、被告側にも理由があり情状酌量の余地有りとし
被告には、秘書西田にのみ
助言を求める事を許可します。

この罰を受け
炊事洗濯、子供の養育の一切を賄い
妻や家族の大切さや
自身の未熟さと向き合いなさい。」









to be continued…
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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2019/12/22(日) 02:58:46 | | [編集]
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