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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
マイガール_7
子供がいる朝。
お袋が禅をおもちゃのように扱っているのは気のせいか?!
洋服もいつ用意したんだとツッコミたくなったのを敢えて我慢した。
イマドキの大人顔負けの子供服。
禅は俺に容姿が似てるもんだから、お袋も着替え甲斐があるんだろう。
親父ですら、ビックリしてたもんな。
まぁ、冷たい視線で見られることを思えばwelcome状態に越したことはねー。

「禅」
「なぁに?」
「今からママのところに行くけど、病院だから静かにしろよ?」
「うん。わかった」
「いい子だな」

自分で運転して行こうかと思ったが、禅がいるので西門の車で向かうことにした。
優紀が入院している病院に着いて、受付で病室を聞いた。
場所は6階。
ちょうど面会時間中だったこともあり、病棟の休憩フロアも混んでた。
邪魔になるといけないからとエレベーターに乗り込む時、禅を抱いた。

「禅、この6Fのボタン押して」
「これ?」
「そう。それからこの閉じるのボタン押して」
「はぁい。これとこれ!」

禅にエレベーターの上矢印ボタンと6階のボタン、そして閉じるボタンを押させて目的の病室へ向かった。
ボタンを押す何気ない行為が禅には初めてだったようで、興味津々で楽しそうだった。
エレベーターを降りて、禅と手を繋いで優紀のいる部屋まで歩く。

「ここ?」
「松岡優紀って、ママの名前が書いてある」

指を指して教えてやる。
まだ漢字が読めないから、首を傾げてた。
扉をゆっくりとスライドさせると禅が先に中に入った。
俺にとっては懐かしい声。
禅にとっては安心する声。

「禅・・・来てくれたの?」
「ママ!!!」
「いい子にしてた?」

ベッドの上から禅と話をして・・・
俺にはまだ気付かない。

「優紀」
「えっ・・・なんで!?」
「どうだ具合は・・・大丈夫か?」
「あの・・・どうして」

優紀は驚きを隠せない。
そりゃもちろん俺もだけど・・・

「パパとね、いっしょにきたんだよ」
「パパ?!」
「そう!!パパ」
「どういうこと?!・・・・禅、パパはお仕事でいないっていつも言っているでしょう?」
「・・・・・・・」

優紀が少し強めの口調で禅に話す。
禅は怒られていると思ったようで、急に静かになって下を向いた。
そして俺の後ろに隠れる。

「禅、こっち来なさい」
「いや・・・」
「禅!!」

羽織っていたカーディガンがずれ落ちるくらい優紀は興奮してた。
体も万全じゃないから、怒るのも体力を使うだろうに・・・

「禅、ママ言ったわよね?パパはいないって」
「でも・・・」
「どうしてママの言うことが聞けないの?」
「だって・・・」
「だってじゃないわ。山田さんのところでいい子で待っててねって言ったのにどうして・・・」
「・・・・・・」
「禅、黙ってたらわからないわ」

禅も優紀も今にも泣きそうだ。
禅が取った行動は褒められたことじゃねーのはわかるけど。
禅の気持ちもあるだろうに・・・。

「優紀、もういいじゃん」
「良くないわ!!総・・・西門さんは黙ってて」
「黙ってらんねーから言ってんだろ?」
「西門さんには禅のことは関係ないもの、口を挟まないで」
「関係なくなんか、ねーだろ」

コホコホ・・
さっき興奮して話したのが悪かったんだな。
優紀が咳き込む。
ほらみろ・・・
平気な顔してるけど全然平気じゃねーじゃねーか。
禅のことはさておいて、話を変えようと優紀のことに触れた。

「何か飲むか?」
「大丈夫・・」
「・・・過労なんだって!?」
「うん。そうみたい・・・大丈夫って言ってるのに大げさだよね」
「どうせ、優紀のことだから平気なフリして無理してたんだろう」
「そんなことないわ。本当にもう大丈夫なの」
「嘘つきだな・・・今も昔も」
「・・・・っ!!」

じっと優紀を見た。
けれど、彼女は俺と視線を合わせようとしない。
優紀は重い口を開く。
今ある体力を使って俺に礼を言ってきた。

「えっと・・・お礼が遅くなってごめんなさい。禅といっしょに居てくれてありがとう」
「楽しかったよな?禅」
「うん」

さっきの泣きそうな顔と違って嬉しそうだ。
昨日は、周りもだけど・・・禅自身もテンションが高かった。
その禅の表情とは正反対に優紀は困惑してる。
ひと呼吸してから俺に向かって話し始めた。

「禅はここで面倒見るから安心して。西門さんにはご迷惑掛けませんから」
「なんだよ、迷惑って・・・しかもそんな他人行儀な物言い」
「禅が居たらお仕事も出来ないだろうし、今日だってお仕事抜けて来ているんでしょう」
「それこそ優紀が気にすることじゃねーよ」
「それに・・・」
「それに、何?」
「西門さんは禅の父・・父親じゃないから、もう関わらないで」
「・・・・・そうかよ、わかった」

優紀から聞かされた言葉。
父親じゃないから関わるなって言葉で俺は目を細め・・・
冷たい視線を優紀に投げた。
怒りより・・・
冷めた感情だ。
それなら、そう言うなら・・・
いつまでもここに居る意味はねーな。
優紀は俺のその冷たい視線に気付き、固まる。
じっと禅が俺を見ていたので頭を撫でてやった。

「今日はママといっしょだ、良かったな禅」
「・・・・・・」
「じゃ・・・俺は帰るな」

最後にずれ落ちたカーディガンを肩に掛けてやった。
そして冷たい視線・雰囲気だったのを普段の次期家元・西門総二郎仕様に戻した。


「優紀、ありがとうな」


それだけ言って、病室を出た。
禅もじっと俺を見たまま、動かなかった。





=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=
泣ける回を書きたいと意気込んだものの敢え無く撃沈。
やっと優紀ちゃん登場。
長かったです(笑)
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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