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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
アットホームビースト- 専業主夫司奮闘記- 後編 miru ver.
「翼、風呂入るぞ」
「えー、まだ入らない」
「入らねぇと寝れねぇだろ」
「このテレビ見たら入るの!」

くそっ。
この俺がガキに振り回されるなんて…。
翼の着た服と俺の着た服を洗濯機に放り投げた。

「パパ、これとこれを入れるんだよ」
「柔軟剤?入ってんじゃねぇの?」
「ママがねこれも入れたらふわふわになるんだよっていつも言って僕お手伝いしてるもん」


偉れぇな。
くそっ、けどどれだけ入れりゃいいんだよ。
まっいっか適当で。
洗えりゃいいんだしな。
翼との風呂も久しぶりであいつのテンションが上がってて目が離せねぇ。
アヒルやら車やらが浮いてるし。
翼を見てるとデカくなったなぁと感慨深く思う一方で忙しさにかまけて貴重な時間を自ら手放していたと思った。
上がったら上がったでじっとしてねぇからまた俺の声が響く。

「まだ髪濡れてんぞ」
「だいじょうぶだもんっ」
「大丈夫じゃねぇって。つくしに怒られんぞ」
「パパが言わないならヘーキだもぉん」

あからさまに俺と同じ顔で不機嫌な顔すんな。
俺は自分と同じブランドの子ども用のスウェットを着させてやる。
たかが風呂と侮ってた。
これを毎日使用人じゃなくつくしがしてる思うと頭が上がらねぇ。
つくしは至って普通のことだと笑ってたけど違げぇだろ。
俺に対して怒ってんのは日常茶飯事だけど翼に対してはほぼねぇ。
ある時は大抵アイツの手に負えなくて俺が怒ってる。

「パパ、パパ」
「なんだよ」
「冷蔵庫開けて」
「おまえメシ食ったじゃん」
「ママのとは全然違うガリガリしたカレー食べたけど…ジュース飲む!」
「チッ、茶にしろよ」
「お茶ぁ?じゃ牛乳入れていい?」
「類と同じこと言うな。普通の茶だよ」
「類くんと飲んだのは美味しかったのにぃ。いいよ、ママのなら飲む」
「なんでもつくしかよ」

ママママって…。
寝るときもママと寝てたって言って俺らのベッド入ってきてフランス語の本を読み聞かせ寝かしつけた。
眠ったのを確認してリビングに戻ると翼が遊んだおもちゃが散乱。
バスルームには洗濯し終えた衣類、キッチンには汚れた皿類。
重い腰を上げて散乱したおもちゃを片してから汚れた皿を食洗機に入れた。
洗濯機に入ったままの洗い終わった衣類はそのまま乾燥ボタン。
西田に聞くくらいならと俺のプライドも邪魔して、全てネットでググった。

「マジ仕事してた方が楽だぞ」

アイツ昼間は仕事して翼の世話して飯作って夜は俺の相手。
休んでる時あんのかよって思うぜ。
なのに笑ってるし。
ほんとすげぇわ。
結局酒も飲まずにそのまま翼の隣に体を滑り込ませて瞼を閉じた。


遠くで翼の声が聞こえてくる。
薄っすらと目を開けると翼が自分の腹の上を跨いで騒いでた。

「パパ、モーニンっ。お腹空いた」
「あぁ…」

時計を見たらまだ6時半。まだ早えだろ、寝かせろと言ったところで無理だよな。
翼を抱き上げ体を起こした。

「パパご飯!」
「メシか…昨日めっちゃ食っただろ」
「お腹空いた」
「わーった!」

先にシャワーすら浴びれねぇ状況にイラッとしつつも翼のメシを作る。
焼くだけのトーストにオレンジジュース。

「パパ、タマゴ!」
「先にこれ食えって」
「えーっ、ママはちゃんと作ってくれるのにぃ」

泣くな。俺のが泣きてぇっての。
サンタに願い事をするなら今はもうこれだ。
「つくし、俺が悪かったから直ぐに帰ってきてくれ」しかねぇ。
おまえの大変さがこの数時間で痛いほどわかった。
新聞ですら読む時間がねぇ。
参った、マジ参った。
二言目にはママってのが辛れぇ。
主夫なんて出来るだろと簡単に思ってたけど違げぇ。
所持金も少ねぇし…
まさに今の俺は心も持ち金もなく貧乏だ。
そんなことを思ってると翼が俺を見上げた。

「パパ、今日サンタさんくる?」
「ああ…翼がいい子にしてたらな」
「僕、パパよりいい子だよ」

ったく。
こいつのこの性格は誰に似たんだよ?
つか、間違いなく俺だよな。
着替えひとつにしても言うこと聞かねぇし。
いっちょまえに俺に意見しやがるし。
他人のガキならイラッとくるけど、テメェのガキだと全然違うことに心底笑ってしまった。

「翼」
「なぁに」
「メシ食ったら何すんだ?」
「お勉強以外?」
「マジか。流石にそりゃマズいだろ」
「えー!せっかくパパと遊んであげるのにぃ」
「そりゃサンキュー」

「サンキューじゃないでしょ!」

「つくし?」「ママ!」

俺より先に翼がつくしに飛びつく。
俺は一歩出遅れて…立ち上がった。

「どうしたんだよ?」
「ん?お義母様がね、ウチから死人?犯罪者?を出すわけにはいかないから帰りなさいって」
「ババァ!」
「どう?主夫は…大変さわかった?」
「ああ。1日でもかなりキツイぞ」
「それを世のママたちは毎日ヘビロテしてんのよ」
「いくら自分のガキだと言ってもかなり疲れた」
「アンタの気持ちは嬉しいの。でも度を過ぎたことはやめてよね」
「ああ」

俺が返事したことでさらにつくしは驚いて、目をデカく見開いてた。
そんなにおかしいこといったかよ?

「大丈夫?熱ないわよね?」
「あ⁉︎」
「いつもの俺さまじゃないからさ。変なものでも食べたのかなぁと」
「違ぇよ」

そう言いながら俺はつくしを抱きしめた。
1日だけど…されど1日。
俺は抱きしめてつくしの有り難みを頭のてっぺんから足の先まで感じてた。

「んとにどうしたのよ?」
「気にすんな」
「気になるわよ」
「強いて言えば、俺の主夫の対価ってやつか?」
「よっぽど身に染みたの?専業主夫」
「ああ」
「でも1週間は専業主夫するっていう約束だから、あたしまたお義母さんとこ戻るね」

思考回路が止まる。
ハァ?
この状況で心底ありえねぇだろ。
翼だっておまえのこと恋しいんじゃねぇの?
つーか、こんな小さいガキ放って出かけるとかありえねぇ。
つくしは翼の顔を見たからとキッチンで喉を潤し、また颯爽と出かけて行った。
しかも、ババァにも連絡をしてだ。

呆然と立ち尽くしてる合間にも翼は本領発揮して遊び始める。
パリンというバカラと横に置いていたエルメスのグラスが割れた音でハッと我に返った。

「翼!部屋ん中でボール蹴るな!」

あと数日。
気が遠くなるような膨大な主夫の時間。
俺は割れたグラスの掃除から今朝の仕事は始まった。
残り数日で俺の主夫の経験値を上げて見返してやる。
翼はすでにここにはいねぇ。

アットホームビースト。
盛大なため息を吐きながら俺はカフェで見かけるような黒いエプロンを腰に巻いた。









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ということで。
最後までお付き合いありがとうございました。
クリスマスお話、いかがでしたでしょうか。
司にはクリスマス休暇ならぬクリスマス奮闘記です。
もっと司を苦しめたかったけど…(笑)これが限界です。
つくしんぼサマ、Ariaサマ、くるみぼたんサマのお話も素敵なお話であたしは大好きです。
このコラボ話、本当にありがとう。
そして読んでくださったみなさまも本当にありがと〜!
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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2019/12/25(水) 22:08:34 | | [編集]
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