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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
パスポート
「今週中にパスポートのコピー提出するように」

出勤してすぐの、朝のミーティング時。
急に言われたこのひと言。
営業部に在籍している人は、急な出張もあるだろうからと会社でパスポートの管理をしているのだという。
だから費用は会社負担。

「牧野、やっぱ道明寺HDは他所とは違うな」
「・・・・・・そう、だね」

それを言うだけでいっぱいいっぱいだった。
営業部に配属された同期とコソコソ話。
それだけ、営業部は海外出張が多いんだと悟る。
つくしのいる営業本部は営業部の総まとめの部署だから、全員が揃うことは週1あればいいほう。
裏で周りからはエリート部署と言われている。
それよりもパスポートだ。
あたしのパスポート・・・
頭の痛いこと思い出した。





***


「ほれ、おまえのパスポート」
「あたしの!?」
「ちょうど更新時期だっただろ?こっちで更新しといたぜ」

パスポート用の顔写真っていつ撮ったっけ!?
と曖昧な記憶を辿る。
いや、更新すら気付いてなかったくらいだから・・・
撮ってない。
道明寺が手渡ししたあたしのパスポートを恐る恐る開ける。

「何よ!?これ・・・」
「何だよ」
「道明寺つくしって!!!どういうことよ」

今回のパスポートは10年用。
名前が道明寺つくしって・・・

「どうぜ名前変わるんだからいいだろう」
「良い悪いの問題じゃないでしょ!!あたしはまだ牧野つくしだっちゅーの!!」
「イヤなのかよ?」
「イヤとかじゃなく、公的文書偽造でしょ!?」

話にならない。
アイツの言い分はこうだ。
どうせ結婚するんだから、道明寺つくしでも問題ない。
騒ぎ立てるおまえがおかしい。

「っーか、結婚して氏名変更申請するのも金掛かんぞ?それこそ無駄じゃねーのかよ(笑)」
「無駄の意味が違うでしょ?」
「まぁ、いいじゃねーか」
「よくない!!」

それから確か、パスポートはアイツが持ってるんだ。
どうせ俺といっしょにしか海外にはいかないからとなんとか言って・・・。





***


「課長」
「どうかした?牧野さん」
「あの、パスポートのことなんですが・・・」
「ああ。それより悪いけどミーティングが終わったら秘書課の西田部長のところまで行ってくれる?」
「西田部長ですか・・・わかりました」

言われるがまま。
ミーティング後に西田さんのところに向かう。
西田さんが社内に居るってことは、少なからずアイツも居るってことだ。
とりあえず待たせてはいけないと思い、足早に向かった。

「お呼び出しして申し訳ありません」
「いえ、こちらも伺いたいことがありましたので」
「あちらのお部屋に司様がいらっしゃいます」
「あの・・・」
「用件は司様よりお聞きください」

促されるまま、言われた部屋に入る。
道明寺はずっとPCから視線を外さずキーボードをずっと打っていた。

「わりぃ、1分待ってくれ」
「どうぞ」

1分てすぐじゃん・・・。
視線を動かして、部屋をぐるっと見渡す。
すごー。
重役専用の会議室だよね、ここ。
あたしが立ち入っていいのだろうかと思いながら辺りを再度見渡した。
道明寺は、イスから立ち上がって重厚な机に足をクロスさせてもたれかかる。

「すまねぇな、終わった」
「うん。用件って何?!」
「おまえ、これからNY」
「えっと・・・は!?」
「何回も言わせんな、これからいっしょにNY行くぞ」
「何でよ!!!行くならアンタひとりで行きなさいよ」

手を腰に当てて。
オロナミンC飲むみたいに言い放ってやった。

「おまえがダダ捏ねるのは知ってる。けど今回は譲れねぇ」
「意味わかんない。ちゃんと説明して」
「あっと・・・言ってなかったか?」
「何をよ」
「そりゃ悪い。忙しすぎて言ったつもりでいたわ」

確か今朝まで・・・アジア行ってたんだっけ!?
強行スケジュールだとか言ってた気がする。
香港行って、中国、シンガポール、マレーシア、タイに行って早朝便で戻ったとか言ってたな。
忙しすぎて連絡を貰ったのって深夜の出国数分前だったような・・・。

「NYで出るパーティーが同伴なんだわ」
「それで?」
「別に同伴、ぶっちぎることは構わねーんだけどよ。プロジェクトの進捗も絡んでてな」
「例の大型案件?」
「そう、それだ」
「行ったらバレるでしょ。あたしらの関係」
「俺はバレても問題ねー。けどおまえが困るんだろ?」
「そりゃ、今はね」
「安心しろ。このパーティーは俺と俺らのことを知ってるババァの側近重役しかいねぇ」

けど・・・
仕事は?どうすんのよ。
あたし、新卒だから休めないし。それこそ有休なんて使えないわよ。

「これも立派な仕事だ。問題ねぇ」
「上司にはどう言うのよ?」
「西田がそこんとことは手を打つから」
「・・・・わかった」
「すまねぇな」
「アンタが謝るなんて・・・意外。ってか、行かなきゃ行けないんでしょ」
「まぁ、結局はそうだな」

道明寺の穏やかな顔。
決して仕事では出さない顔を見て安心した。
忙しすぎて結構神経昂ぶって八つ当たりされるかと思ったりしたけど・・・
そうじゃなかったみたい。
だからあたしの用件を忘れそうになってた。

「ああ!!」
「何だよ?!」

道明寺があたしの髪を撫でている最中。
急に道明寺の鋭い視線と絡み合った。

「パスポート!!」
「パスポートがどうしたんだよ」
「会社にコピー提出しなきゃなんないの」
「っか・・・そんなことかよ」
「そんなことかよじゃないっつーの!!名前が道明寺つくしになってるのなんて出せるわけないじゃん」
「別にいいんじゃねーの。普通に使えんだし。これから使うだろ」
「よくない!!」

じっと・・・視線を外さない道明寺。
怒らせたかな・・・。
いや、悪いのはあっちなんだし。

「わーった。西田に後始末させる」
「後始末?」
「・・・上手く処理させる」
「よろしい」

あはは。
ふたり笑いあう。
こんな少しの時間だけど、アイツの休憩時間にはなったかな。

「今回、ババァがジェット使っちまってるから民間機移動なんだわ、わりぃな」
「別に構わないよそんなの」
「18:25分発のJLだ。会社出る時間も西田に調整させる」
「荷物は?」
「身ひとつでいい」

だよね。
向こうのお邸行ったら、何もかも揃ってるんだもんね。
それこそ、持って行くもの全てが無駄だ。
あまりここに居て勘ぐられても困るからそろそろ戻ろうとしたとき。

「牧野、忘れもん」

道明寺は不意打ちにあたしの唇に自分のを重ね合わせた。
そしてふわっと離してニヤリと目があった。
オフィスでこんなことすんじゃないわよって言いたいけど・・・久々だったから許すことにした。









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久々のつかxつく
やっぱり怒っても司のこと好きなのよねつくしちゃん
的な話を書きたかったのです。
伝わってるといいな。
成田-JFKのファーストっていくらなんだろう(苦笑)
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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