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SHOW CASE
花より男子の二次小説置き場です。
ほう・れん・そうの法則
「白石、牧野・・ちょっといいか」
「はい」

部長代理に呼ばれて、白石くんとふたり前に立つ。
入社して9ヶ月。
もう12月。
世間も仕事も慌ただしくなってくる頃。
道明寺HDも例外なく忙しさが増す。

「これから副社長のところにこの案件の進捗状況をご報告に上がる」
「副社長にですか?!」
「ああ。小さい案件でも重要度は高いから、気にされてるらしい」
「えっと、あたしもですか?」
「牧野、白石のフォローしてやってくれ」
「わかりました・・・」
「じゃ、行こうか」

隣を見ると白石くんはすでに緊張してる。
部長代理も普段は笑顔なんだけど・・・ちょっと緊張されてるかな。
まぁ、あの副社長に報告だからね。
緊張しないでっていうのもムリかも。

「牧野、頼むな」
「いつも通り話せば大丈夫だよ」
「副社長を目の前に緊張しないほうがムリだって」
「まぁね、例えば・・・副社長をふなっしーとかと思って話してみるとかは?」
「牧野・・・それ全然例えになってねーし」
「そう?!でも、副社長で慣れておけば他社でのプレゼンは怖いものなしだって」
「そうか?」
「そうだよ、頑張って白石くん」

そんなやりとりをしながら副社長室に向かう。
受付秘書に断りを入れて部屋に案内してもらった。
普段は訪れることなどないフロアだから緊張も半端ないのかもしれない。
コンコンとノックをして中に入った。

「わりぃ、1分待ってくれ」

キーボードを流れるように打つ司。
机の上には積まれた決裁書類。
やっぱり・・・全然仕事片付いてないんじゃん。
あたしたちは副社長の机の前に並んで待つ。
白石くんや部長代理が緊張するからあたしもその緊張が移ってくる。
ようやくキーボードを打つ手が止まり、司はこちらを見据えた。

「待たせたな。始めろ」
「はい。この案件に携わっている営業2課の白石です。宜しくお願いします」
「営業本部の牧野です」
「じゃ白石、状況報告始めろ」
「はい。では報告させていただきます。我が社の・・・・」
「・・・・・・状況はわかった。で?価格はどうなってる」
「価格は競合が・・・」

白石くんが口を開いた時、机に置いてあったスマホが鳴った。
ビジネス用のものじゃない。あれはプライベートの方だ。
司と目があった。
ニヤリと一瞬笑みを浮かべて、こともあろうにスマホをあたしに投げて渡す。

「牧野、出てくれ」
「あたしですか?!」
「早く出ないと大損出すかもしんねーぜ?(苦笑)」
「・・・・わかりました」

そういうならアンタが自分で出なさいよ。
周りにはビジネス用なのかプライベート用なのかなんてわからない。
知ってるのは、極限られた身内だけだ。
それを知ってて司はすぐさま仕事の話に戻る。
仕方なくあたしは状況報告をしている傍ら、誰からかかってきているのかを確認しないまま通話ボタンをスライドさせた。

「はい」
”あれ?番号間違えたかな俺”
「る・・・道明寺の携帯です」
”牧野アンタ、何してんの?”
「いつも大変お世話になっております」
”ぷぷぷ・・・何、そのしゃべり方”
「申し訳ございません。道明寺はただ今、打合せに入っておりまして・・・」
”ふぅん。猛獣がいないんじゃ、ちょうどいいね。牧野、今度デートしようか(笑)”
「はい・・・って、ええっ!?」
”うるさいよ牧野。てか俺、今朝一時帰国したから”
「申し訳ございません。折り返し道明寺より連絡をさせて頂きます」
”いらない。どうせ知っててアンタに出させてるんでしょ?”
「・・・・・・・・・・」
”司に伝えて。夜、8:00集合。もちろんアンタもね。店はあきらに聞いて”
「承知いたしました」
”じゃあね牧野。考えといてね、デート”
「・・・・・・失礼いたします」

類ってば・・・。
何考えてんのよ、ホントに。
この状況で言えるわけないでしょうが。
それよりも、進捗報告は終わったのかな。
ちらっと司を見た。
すると逆にギロッと軽くにらまれた。

「この案件はこのまま進めて結果を出せ」
「わかりました」
「以上だ。それから牧野・・・誰からだった?」
「はい。類・・・いえ、花沢物産の花沢専務でした」
「何だって?」
「今朝、一時帰国されたそうです。それから夜会いたいと。場所は美作商事の美作部長に聞いてくださいとのことでした」
「俺だけか?」
「いえ・・・副社長のかっ、彼女もご一緒にとのことです」
「わかった。牧野以外、下れ」

えっと・・・どういうことよ。
この流れだったらあたしも下るはずでしょう。
ちゃんと伝言は伝えたんだし、用済みでしょうが。
何考えてんのよ・・・。
部長代理と白石くんが一礼して部屋を出たのを確認してから司の口が開いた。

「類、他に何か言ってただろ?」
「別に何も」
「ウソ言うな、バレバレだ」
「うっ・・・えっと、今度デートしようって」
「却下」
「類だって本気じゃないってば」
「・・・・・・・・・・・・」

だから睨まないでってば。
あたしだって本気になんてしてないんだし・・・。
ただの挨拶みたいなもんでしょうが。
ああ、そうだ返さなきゃスマホ。

「忘れるところだった、これ」

スマホを司に手渡そうと差し出した。
するとその手ごと掴まれて、司の方へ引き寄せられる。
そして、さらっと口付け。

「何すんのよ、仕事場で」
「この仕事の山見て言うか?忙殺される俺への褒美くらいいいだろ。キスぐらい減るもんじゃねーんだし」
「有難味が無くなる」
「言っとけ(苦笑)」

お互い、目が合って笑った。
まぁ、この山積みになった書類を見ると確かに忙殺の域だよね。
ついでにあたしたちの案件まで抱えてるんだから。
仕方ない、許してやるか・・・。

「場所わかったら早めに教えて」
「あきらから連絡くるだろ」
「それもそっか。では、仕事頑張ってください、副社長」
「おう。おまえもな、キョトキョトすんじゃねーぞ」
「しないってば」

そう言って、副社長室を後にした。
司への報・連・相はウソは吐けないと悟った瞬間だった。
















***オマケ***
「あきら、オレ」
「類!?どうしたんだよ、こんな朝イチに」
「今、帰った。夜8:00集合。店の予約よろしく」
「ちょっ・・類」
「それと、司のスマホに牧野が出た(笑)」
「なんだ、それ」
「折り返したら新人秘書(仮)、牧野が出るんじゃない?!」
「その面白い話、詳しく話せよ、類」
「眠いからヤダ。じゃあね、あきら」
「おい、類!?」











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急に思い浮かんだネタ。
司の携帯に出るつくしちゃん。
つくしちゃん、司のスマホ履歴チェックしちゃえば
良かったのに(苦笑)
潔白でしょうけど、司の場合は(苦笑)
miru
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

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